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唐木家具とは|銘木の系譜と現代の姿

実家の座敷や、古い旅館の一室で、黒く艶のある重たい机や飾り棚を見たことはないでしょうか。触れるとひやりと冷たく、少し動かそうとしただけで想像以上に重い。あれは何という木で、誰が、どうやって作ったものなのか。

そうした家具をまとめて「唐木家具(からきかぐ)」と呼びます。唐木とは、唐(中国)を経由して日本に届いた紫檀や黒檀などの銘木の総称です。そしてこの言葉は、千二百年前の正倉院から今日まで、一度も途切れずに使われつづけてきました。この記事では、唐木というカテゴリーがどのように生まれ、どんな家具になり、いまどこにあるのかを辿ります。

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唐木とは何か——「唐」の一字が示すもの

「唐」は産地ではなく、経路の名前

唐木という字を見ると、中国の木だと思われるかもしれません。ですが実際の産地は、インドや東南アジアの熱帯地方です。紫檀も黒檀も、中国で育った木ではありません。

それでも「唐」の字が付いているのは、この字が産地ではなく経路を指しているからです。奈良時代、遣唐使が唐から持ち帰った品々のなかに、日本では見たことのない硬く重い木で作られたものがありました。その木を「唐の木」と呼んだことが、唐木という言葉の始まりとされています。

つまり唐木とは、「どこで育ったか」ではなく「どこを通って来たか」で名付けられた木です。この、産地ではなく流通が名前を決めるという性格は、後の時代にもう一度、もっと決定的なかたちで現れることになります。

「からき」と「とうぼく」、二つの読み方

唐木の読み方は二つあります。辞書はどちらも認めていますが、工芸や木工の現場で日常的に通用しているのは「からき」のほうです。「とうぼく」は用語集や辞典で並記されることが多い読みで、意味は同じです。本記事でも「からき」で統一します。

唐木と呼ばれる木

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唐木に含まれる代表的な材は、紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)、花梨(かりん)です。このうち紫檀・黒檀・鉄刀木の三種は「唐木三大銘木」と呼ばれてきました。この括りの由来や、よく混同される「世界三大銘木」との違いについては、世界三大銘木とは|紫檀・黒檀・鉄刀木で整理しています。

ここで押さえておきたいのは、唐木が植物学上の分類名ではないということです。マメ科の紫檀とカキノキ科の黒檀は、植物としてはまったく別の系統に属します。それでも同じ「唐木」として括られてきたのは、これらが日本にとって同じ意味を持つ木——遠い南の国から、同じ経路で届いた硬く重い銘木——だったからです。

材そのものの性質については、紫檀を紫檀とは|木材の種類・色・希少性を解説に、紫檀と黒檀の見分け方と選び方を紫檀と黒檀の違い|家具としてどう選ぶかにまとめています。なお「唐木は重くて水に沈む」と言われることがありますが、これは樹種と個体によって変わる話で、一律には言えません。比重の実際の数値は前者をご覧ください。

正倉院に残る唐木——千二百年前の調度

千二百年前の碁盤に、唐木は「貼られて」いた

唐木という言葉の出どころである奈良時代の品は、いまも実物が残っています。正倉院です。

なかでも家具として見て興味深いのが、木画紫檀棊局(もくがしたんのききょく)という碁盤です。およそ四十九センチ四方、高さは十三センチほど。盤面の線には象牙が使われ、側面には象牙やツゲ、黒檀を組み合わせた「木画(もくが)」という寄木の装飾が施されています。碁石を入れる引き出しは亀の形をしていて、片方を引くともう片方が自動的に押し出される仕掛けまで備わっています。

そしてこの碁盤の構造が、唐木家具を理解するうえで示唆に富んでいます。表面には紫檀の薄い板が貼られており、本体そのものは松とみられる材でできているのです。二〇一三年の宮内庁正倉院事務所の調査では、この松材が朝鮮半島の工芸品によく使われるものであることから、唐の製作ではなく朝鮮半島でつくられた可能性が指摘されました。

「芯材に唐木を貼る」という発想は、最初からあった

ここから分かるのは、唐木は最初から「塊のまま使う木」ではなかった、ということです。

唐木の世界には「練り(ねり)」という言葉があります。芯となる材の表面に唐木の板を貼る工法で、貼る面の数によって三方練り、四方練りと呼び分けます。近代に生まれた合理化の技術のように思われがちですが、同じ発想は千二百年前の最高級品にすでにあるわけです。

希少で、高価で、そして硬すぎて扱いにくい材を、いかに美しく、いかに無駄なく見せるか。唐木をめぐる工夫は、正倉院の時代からひと続きに続いています。

なぜ千二百年ももったのか

紫檀や黒檀が千二百年を越えて残っているのは、偶然ではありません。心材に蓄えられた樹脂や油分が腐朽菌と虫を寄せつけず、細胞壁が厚く密度が高いために変形しにくい。校倉造の倉という保管環境に恵まれたことも大きいのですが、そもそも材そのものが、長い時間に耐えるようにできています。

唐木の家具を選ぶということは、この耐久性を選ぶことでもあります。材の性質そのものについては紫檀とは|木材の種類・色・希少性を解説で詳しく扱っています。

長崎から大阪へ——江戸時代に「唐木家具」が生まれる

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唐木材はすべて長崎に集められた

唐木が「日本の家具の材料」になるのは、江戸時代に入ってからです。

このとき決定的だったのが、鎖国下の流通のかたちでした。伝統工芸青山スクエアの解説には、こう書かれています。

江戸時代に入ると唐木材はすべて長崎に運び込まれ、大阪の薬種問屋がこれを引き受けていました。

注目していただきたいのは、木材商ではなく薬種問屋——漢方薬を扱う問屋が唐木を引き受けた、という点です。唐船の積荷には、薬種と香木と銘木が同じ船倉に積まれていました。荷を解いて仕分ける役はそのまま薬種問屋が担い、唐木は薬と香りの流通に乗って大阪へ運ばれたのです。

唐木というカテゴリーに、家具材である紫檀や黒檀だけでなく、香木である白檀までもが含まれてきた理由は、ここにあります。唐木は植物の分類ではなく、江戸の船荷のかたちでできた括りなのです。

そして長崎に集まった荷が大阪の問屋に流れたということは、唐木を扱う職人も大阪に集まったということでした。産地は、荷の流れが決めたのです。

茶の湯と書院が、唐木の家具を求めた

需要の側も揃っていました。安土桃山時代以降、茶の湯と華道の広がりとともに唐木の使用量が増えていきます。書院造の座敷には床の間があり、飾り棚があり、季節ごとに設えを替える文化がありました。そこに置かれる棚や机や台は、建物に造りつけるのではなく、動かせる調度である必要があります。

板と板を組んでつくる「指物(さしもの)」という木工が唐木と結びついたのは、この必然からです。元禄期には、唐木指物は職業として確立していました。

江戸時代、唐木でつくられたもの

床の間の飾り棚、茶棚、座敷机、文机、書見台、花台、香道具、煙草盆、印籠、三味線の棹。江戸時代に唐木で作られたものを並べていくと、その多くが「格を示す道具」であることに気づきます。

唐木は舶来の材で、量が限られ、硬く、重く、深い色をしていました。家のなかで最も改まった場所である床の間に置くのに、これほどふさわしい材はなかったのです。

唐木指物という技術——釘が「入らない」木の組み方

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釘を使わないのではない。釘が入らない

和家具の紹介で「釘を一本も使わずに組み上げる」という説明を目にすることがあります。日本の美意識の話として語られることが多いのですが、唐木指物に限っては、事情がまるで違います。

大阪伝統工芸品産業振興協議会の説明を、そのまま引きます。

唐木は非常に堅く釘やねじが入らないため、指物と呼ばれるほぞをほぞ穴に差し込んで組み合わせる技法で接合

釘が、入らないのです。 打ち込もうとすれば材が割れ、ねじを揉もうとすれば刃が負ける。だから唐木を組むには、木そのものに凹凸をつくって噛み合わせるしかありませんでした。

伝統工芸青山スクエアの記述も同じです。「接合部分は、色々な種類の組手という方法で合わせ、釘やネジ等は一切使用しません」。

美意識が技術を選んだのではなく、材の物理が技術を決めた。唐木指物の「釘を使わない」は、そういう種類の必然です。

そしてこれは、けっして楽な仕事ではありません。硬く緻密な材は刃物の進みが読みにくく、切削面が欠けやすい。ホゾの角度がわずかに狂えば、それだけで収まらなくなります。組めば済むのではなく、刃物の精度と木目の読みが揃って、はじめて組み上がるのです。

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まず、四、五年かけて乾かす

唐木指物の工程は、木を刻むことからではなく、待つことから始まります。

材料はシタン、コクタン、カリン等の唐木を4、5年屋外で乾燥させ、加工は、ほとんど手作業で行います。(伝統工芸青山スクエア)

丸太を製材し、桟を挟んで積み、屋外で四年から五年寝かせる。これは丁寧にしているという話ではなく、省くことのできない前提です。唐木は緻密で硬いぶん乾燥の応力が内部に残りやすく、乾ききらないまま組めば、後になって必ず狂いや割れが出ます。木組みの精度だけで成り立っている家具にとって、それは致命的です。

こうした年月と工数が唐木家具にどう反映されるのかは、唐木家具の値段は何で決まるのかで扱っています。

生漆を拭き込み、砥の粉で磨く

紫檀の箪笥の引き出し内部に使われた桐材

仕上げも独特です。

仕上げは精製生漆による「拭き込み仕上げ」をしたあと、砥の粉を用いて磨き上げます。(伝統工芸青山スクエア)

塗料で覆うのではなく、精製した生漆を木地に摺り込んでは拭き取る作業を重ね、最後に砥の粉で磨き上げます。木目を隠さずに保護し、なおかつ艶を出す——唐木のように木目そのものが価値である材には、この仕上げが合っています。漆を重ねるほど、鏡のように滑らかな光沢と、重厚な色合いが現れてきます。

拭き漆で仕上げられた家具を日々どう扱えばよいのかは、紫檀家具の手入れ|長く使うためににまとめました。

大阪唐木指物——唐木家具の産地

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昭和五十二年、伝統的工芸品に

唐木指物の産地として国の指定を受けているが、大阪唐木指物(おおさかからきさしもの)です。経済産業大臣指定の伝統的工芸品として、昭和五十二年(一九七七年)十月十四日に指定されました。指定の区分は木工品です。

指定における主な製品として挙げられているのは、「棚、机、台、箱物」の四つ。この四語が、そのまま唐木家具というカテゴリーの輪郭になっています。

産地としての説明はこう書かれています。

シタン、コクタン等の唐木を素材とし、飾棚、茶棚等を始め、座敷机、花台等の机類が主に作られ、堅牢さと落ち着いた雰囲気には定評があります。(伝統工芸青山スクエア)

なお「指物」という技法の名を持つ工芸は各地にありますが、唐木を専門に扱う指物として国の指定を受けているのが大阪唐木指物です。江戸指物は、これとは別の工芸として指定されています。

「大阪」の産地は、大阪だけではない

大阪唐木指物の指定産地を並べると、意外な広がりが見えてきます。

大阪府では大阪市、貝塚市、門真市、摂津市、枚方市、柏原市、東大阪市。さらに兵庫県の姫路市・洲本市・たつの市・淡路市・東浦町、奈良県の奈良市・葛城市、和歌山県有田市、そして福井県越前市まで。二府四県、十六の市町村に及びます。

越前市(旧・武生市)には「武生唐木指物」が福井県指定の郷土工芸品として伝わっており、大阪唐木指物の技術系譜を地方で受け継いだ産地と位置づけられています。

大阪唐木指物は、大阪という一都市の工芸であると同時に、上方から西日本へ広がった技術のネットワークでもあります。長崎に荷が着き、大阪の問屋が引き受け、職人が集まり、技術が広がっていく。江戸時代の流通のかたちが、そのまま産地の地図になっているわけです。

いまつくられている唐木家具が、どういう立ち位置にあるのかについては、アンティークではない紫檀家具という選択でご説明しています。

唐木家具には、どんな品目があるか

「棚・机・台・箱物」という四つの輪郭

唐木家具とは何かと問われたとき、いちばん簡潔な答えは、伝統的工芸品の指定に書かれた「棚、机、台、箱物」という四語です。

洋家具のようにソファやベッドは含まれていません。唐木家具は、座敷という空間で使われ、その空間の格を担ってきた家具の集まりなのです。

机——文机と座卓

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座敷机、文机、書見台、そして座卓。床に座って使う低い机が、唐木の机の中心にあります。

なかでも文机(ふづくえ)は、平安時代から続く日本固有の家具で、読み書きのための低い机を指します。読み方から歴史、現代の暮らしでの使い方までは、文机とは|読み方・歴史と現代の暮らしでの使い方で詳しくご説明しています。

台——花台と飾り台

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花瓶や香炉、燭台、置物を載せるための台です。床の間の設えに欠かせないもので、唐木指物のもっとも代表的な品目でもあります。

弊社が扱う紫檀花台は、清代から花瓶や調度品を置く台、燭台として使われてきた形を受け継ぎながら、珍しく明代のデザインに近い流麗な作りをしています。壁付けのコンソールとして使える紫檀天拝飾り台も、この区分に入ります。

棚——飾棚と茶棚

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床の間や違い棚のまわりに置く飾棚、茶道具を納める茶棚。木組みの美しさがそのまま意匠になる品目です。指定の説明で真っ先に挙げられているのも、この飾棚と茶棚でした。

箱物——箪笥と火鉢

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引き出しや扉を持つ収納家具の総称です。和箪笥を現代の住まいにどう置くかは和箪笥をリビングに置く|現代のインテリア実例に、火鉢をインテリアとして取り入れる方法は火鉢をインテリアとして使う|現代の住まいでの置き方にまとめています。

現代の唐木家具は、どこにあるか

唐木家具が仏壇に寄っていった理由

「唐木」と検索すると、仏壇や位牌の情報ばかりが出てくることに気づかれた方は多いと思います。これには、はっきりした理由があります。

戦後、日本の住まいから和室が減り、床の間が減りました。唐木家具の多くは床の間とその周辺で使われる家具でしたから、置く場所そのものが失われていったのです。住宅が狭くなり、飾るための家具を置く余裕もなくなりました。

一方で、濃い色の堅い木と、精緻な木組みと、改まった佇まいをいまも必要としている分野がありました。仏壇・仏具です。唐木の需要は、家具からそちらへ移っていきました。

大阪府の資料によれば、大阪唐木指物の事業者は平成二十二年度の時点で十八社二十四人。産地としての規模は、決して大きくありません。

つまり、唐木家具が消えたのではないのです。唐木を必要とする場所のほうが移った。検索結果が仏壇で埋まるのは、その歴史の結果です。

材のほうも、簡単ではなくなった

材の入手も変わりました。二〇一七年、ワシントン条約(CITES)の附属書IIに紫檀を含むツルサイカチ属(Dalbergia)の全種が掲載され、国際取引に文書上の手続きが必要になります。二〇一九年十一月には注釈が改正され、完成品の一部は規制の対象外となりましたが、家具をつくるための原材が自由になったわけではありません。

条約による規制の全体像は、紫檀とは|木材の種類・色・希少性を解説で詳しく扱っています。

床の間がなくても、唐木は置ける

現代の住まいに据えた唐木家具

それでも近年、唐木は静かに見直されています。深く沈んだ色、手にかかる重み、量産の家具では得られない木組みの表情。和モダンと呼ばれる空間のなかで、唐木は改めて評価されはじめています。

大切なのは、唐木家具が床の間の専用品ではないということです。花台はランプテーブルとして、飾り台は玄関やリビングのコンソールとして、座卓はソファ前のカクテルテーブルとして使えます。弊社の紫檀天拝飾り台は、シャープなアールデコのチェアと、和を意識したミラーを組み合わせるご提案をしています。和室がなくても、唐木は現代の住まいに置けるのです。

そして、唐木の家具はいまもつくられています。アンティークや中古ではなく、新しくつくられた唐木家具を選ぶという選択については、アンティークではない紫檀家具という選択に書きました。作り手が限られる時代だからこそ、直せることもまた価値になります。弊社では正規の輸入代理店として、アフターメンテナンス・修理を承っています。

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よくある質問

Q1. 「唐木」とはどういう意味ですか?
唐(中国)を経由して日本に届いた木、という意味です。「唐」は産地ではなく経路を指しています。実際の産地はインドや東南アジアの熱帯地方で、紫檀も黒檀も中国で育った木ではありません。奈良時代、遣唐使が持ち帰った品に見慣れない硬い木が使われていたことから「唐の木」と呼んだのが始まりとされています。
Q2. 唐木家具とは何ですか?
紫檀・黒檀・鉄刀木・花梨といった唐木を素材につくられた和家具のことです。伝統的工芸品「大阪唐木指物」の指定では、主な製品として「棚、机、台、箱物」の四つが挙げられています。具体的には飾棚、茶棚、座敷机、文机、花台、箪笥などで、床の間のある座敷で使われてきた家具の集まりです。
Q3. 唐木にはどんな種類がありますか?
代表的なのは紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)、花梨(かりん)です。白檀のような香木が含まれることもあります。唐木は植物学上の分類ではなく、南方から同じ経路で届いた硬く重い銘木をまとめた歴史的・商業的な総称なので、時代や分野によって範囲に幅があります。
Q4. 唐木三大銘木(世界三大唐木・日本の三大唐木)とは何ですか?
紫檀・黒檀・鉄刀木の三種を指します。ただし「世界三大銘木」という別の言葉があり、こちらは一般にマホガニー・チーク・ウォールナットを指すことが多く、唐木三大銘木とは指しているものが違います。この二つの括りの違いと諸説については、[世界三大銘木とは|紫檀・黒檀・鉄刀木](https://maitland-smith.jp/blog/sekai-sandai-meiboku/)で整理しています。
Q5. 唐木の特徴は?
硬く、重く、緻密で、色が深いことです。心材に樹脂や油分を蓄えているため腐りにくく虫がつきにくい一方、その油分のせいで接着剤や塗料が乗りにくく、加工の難しい材でもあります。硬すぎて釘やねじが入らないため、唐木の家具は釘を使わず、ホゾや組手といった木組みで組み上げられます。
Q6. 黒檀と紫檀ではどちらが高いですか?
一概には言えません。どちらも等級の幅が大きく、同じ樹種であっても材の質や木取り、寸法によって大きく変わります。二つの材の違いについては[紫檀と黒檀の違い|家具としてどう選ぶか](https://maitland-smith.jp/blog/shitan-kokutan-chigai/)を、価格がどのような要素で決まるのかは[唐木家具の値段は何で決まるのか](https://maitland-smith.jp/blog/karaki-kagu-nedan/)をご覧ください。
Q7. 唐木は「からき」と「とうぼく」、どちらの読み方が正しいですか?
どちらも辞書に載っており、意味も同じです。ただし工芸や木工の現場で日常的に使われているのは「からき」のほうで、「とうぼく」は用語集などで並記されることの多い読みです。
Q8. 唐木家具と唐木仏壇は同じものですか?
材が同じで、つくる技術にも共通点がありますが、別のものです。もともと唐木は座敷の家具の材でしたが、戦後に和室と床の間が減って家具としての置き場所が失われ、需要が仏壇・仏具に移りました。「唐木」で検索すると仏壇の情報が多く出てくるのは、この歴史のためです。本記事で扱っているのは、家具としての唐木です。
Q9. 唐木家具は今も作られていますか?
作られています。ただし作り手は限られており、大阪唐木指物の事業者は大阪府の資料によれば平成二十二年度の時点で十八社二十四人と、大きな産地ではありません。アンティークや中古ではなく、新しくつくられた唐木家具を選ぶことの意味については、[アンティークではない紫檀家具という選択](https://maitland-smith.jp/blog/shitan-kagu-shinsaku/)をご覧ください。
Q10. 唐木家具は洋室に置いても違和感がありませんか?
違和感なく置けます。唐木は床の間の専用品ではありません。花台はランプテーブルとして、飾り台は玄関やリビングのコンソールとして、座卓はソファ前のカクテルテーブルとして使えます。弊社の紫檀天拝飾り台は、シャープなアールデコのチェアと和を意識したミラーを組み合わせるご提案をしています。深く沈んだ色と重みは、むしろシンプルな洋室でこそ効きます。

まとめ

唐木とは、産地ではなく経路によって名付けられた木の総称です。千二百年前の正倉院の碁盤から、長崎に集められた江戸の荷、そして釘の入らない材を組み上げる大阪唐木指物の技術まで、その系譜は一度も途切れていません。いまつくられている唐木家具は、その系譜のいちばん新しい先端にあります。

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