お手をする犬のテーブル|忠実な伴侶と職人技
フリスビーを口にくわえ、片方の前足をそっと差し出して「お手」をする一頭のラブラドール——そのかたわらを通るたび、思わず頭を撫でたくなる。そんな温もりを宿したサイドテーブルがあります。
愛らしい姿の奥には、人と犬が幾世紀にもわたって育んできた「忠誠」の物語が息づいています。この記事では、絵画が描いてきた犬の象徴性、日本に伝わる縁起、そして一頭に込められた職人の技まで、温もりと格調を併せ持つアクセントファニチャーの魅力をご紹介します。
人のかたわらには、いつも犬がいた
絵画が描いてきた、「忠誠」の象徴
犬は古くから、絵画のなかで特別な役割を担ってきました。主人の足元に静かに寄り添う一匹の犬——それは「忠実(fidelity)」そのものの象徴です。十五世紀フランドルの画家ヤン・ファン・エイクが描いた『アルノルフィーニ夫妻像』では、夫妻の足元の小犬が二人の誠実な絆を物語っています。
犬の定番の名前として親しまれる「Fido(ファイド)」が、ラテン語の*fidelis(忠実)*に由来するのをご存じでしょうか。人は古来、犬という存在に「裏切らない心」を重ねてきたのです。フリスビーをくわえて飼い主に差し出すこの一頭の姿は、まさにその忠誠の図像を、立体に写しとったものといえます。
英国の書斎と、猟犬の物語
ラブラドールやレトリーバーは、英国の狩猟・田園生活において、紳士のかけがえのない相棒でした。ジョージ・スタッブスやトマス・ゲインズバラといった巨匠たちは、主人と並ぶ猟犬の凛々しい姿を、誇らしげに画布に残しています。
革張りの椅子、濃い色の木のパネル、傍らにくつろぐ一頭の猟犬——これは英国カントリーハウスの書斎を彩る、王道の情景です。動物をかたどった家具は、古代エジプトの玉座から続く、富と職人技の証でもありました。その長い歴史の大きな流れのなかで、犬は「権力の獣」ではなく、いつでも人に寄り添う「忠実な伴侶」として愛されてきたのです。
愛らしさが「品」になるとき
では、なぜ「お手」をする犬が、子どもじみた飾り物ではなく、大人の空間にふさわしい温もりと格調を放つのでしょうか。
その答えは、細部に宿る本物の仕事にあります。手で彫り起こされた造形、本革の首輪、丁寧に組まれた象嵌——周囲を確かな素材で固めたとき、愛らしさは「甘さ」ではなく、住まう人の「余裕と温度」として伝わります。隅々まで本物だからこそ、親しみが品格へと昇華するのです。
一頭のラブラドールに宿る、職人の手仕事
この一脚の価値は、その細部に触れたときにこそ立ち上がります。
表情を生む、原型彫刻と手仕上げ
まず目を奪われるのが、犬そのものの造形です。やわらかな毛並み、差し出した前足、つぶらな表情に至るまで、まず作家が原型を手で彫り起こすことから、この一頭は生まれます。深い色合いの仕上げも、職人が一体ずつ手と目で施すもの。アニマルの愛らしい表情は、量産品では決して表現できない、生き生きとした存在感を宿します。手作業で仕上げるからこそ、二頭として同じ顔のものは生まれません。
首元を飾る、本革の首輪
この一頭には、本革製の首輪があしらわれています。厳選された革を、職人が一点ずつ丁寧に仕上げたもの。使い込むほどに風合いを深める革は、犬の温もりをいっそう確かなものにします。手に触れられる本物のディテールが、この一脚を「飾り物」から「愛おしい存在」へと変えてくれます。
フリスビー型の天板に広がる、象嵌細工
犬がくわえるフリスビー型の天板には、見逃せない仕事が隠れています。彩るのは象嵌細工——色味の異なる木を精緻に嵌め込み、模様を「描く」高度な伝統技法です。塗料を使わず、木そのものの濃淡だけで陰影を生み出す。何世代にもわたって受け継がれてきた美意識の結晶です。
時とともに深まる、真鍮とマホガニー
天板の縁を巡る真鍮は、使い込むほどに深いアンティークゴールドの味わいを増していきます。台座に用いられるマホガニーは、世界三大銘木のひとつ。赤褐色の木目は、年月を重ねるほどに艶やかさを深めます。革も、真鍮も、木も——すべてが時とともに表情を変える、本物の素材です。
犬という存在に重ねる、縁起の物語
愛嬌たっぷりのこの一頭には、日本人が古くから犬に託してきた、豊かな縁起が重なります。
干支の「戌(いぬ)」は、飼い主によく従う姿から「忠義」の象徴とされてきました。忠犬ハチ公の物語が今も語り継がれるように、犬は「信頼」と「誠実」を体現する存在です。
さらに犬は、お産が軽く子だくさんであることから、安産・子宝の象徴でもあります。十二日に一度めぐってくる「戌の日」に安産祈願を行う習わしは、この縁起にあやかったもの。新しい命の健やかさを願う、温かな信仰です。
そして、神社の入り口を守る「狛犬(こまいぬ)」が示すように、犬には魔を祓う力があると信じられてきました。忠誠、安産、魔除け——犬は、家族の幸福をそっと見守る、縁起の良い動物なのです。だからこそ、この一脚は新築祝いや結婚祝い、出産のお祝いといった、人生の節目の贈り物にもふさわしい存在といえます。
暮らしのなかへ——飾り方のヒント
温もりと存在感を併せ持つ一脚は、置く場所しだいで空間の表情を豊かに変えます。
リビングでは、ソファやラウンジチェアのかたわらに。天板に本や小ぶりのランプ、季節の花を載せれば、くつろぎの時間に寄り添う温かな主役となります。
書斎・ライブラリーでは、レザー家具と犬という英国紳士の書斎の王道を。足元に控える忠実な相棒として、思索の時間に静かに寄り添います。
玄関に置けば、訪れる方を迎える温もりの象徴に。鍵を受け取るトレイや、一輪の花を添えて。
忠誠・安産・魔除けという縁起を宿すこの一脚は、大切な方への贈り物としても喜ばれます。西村貿易では、こうした一点を活かした空間づくりについて、個人邸向けのインテリアサービスでもご相談を承っています。
メートランドスミスについて
ここまでご紹介してきた、犬に重ねられた忠誠の物語、本革や象嵌による手仕事——これらを現代のインテリアアイテムとして形にしているブランドがあります。
メートランドスミス(MAITLAND-SMITH)は、ロンドンのアンティークディーラーであったポール・メートランドスミスが、1979年に創設した高級インテリアブランドです。家具からライティング、デコールまで、インテリアにかかわる幅広いカテゴリーを手がけています。
多くのアイテムが、機械以前の時代に培われた伝統技法を受け継ぐ職人の手によって、一点ずつ作り上げられます。代々受け継いできたかのようなアンティーク仕上げ、そして「アクセントファニチャー」という分野にいち早く着目し、空間に格調と個性を与える品々を生み出してきたことで知られています。このラブラドールのサイドテーブルは、まさにその真骨頂といえる一脚です。
西村貿易は1988年より、日本唯一の正規輸入代理店として、メートランドスミスの世界観をお届けしています。
おすすめのアクセントファニチャー
よくある質問
Q1. 犬のモチーフにはどんな意味がありますか?
Q2. 素材は何でできていますか?
Q3. お手入れはどうすればよいですか?
Q4. どんな部屋に合いますか?
Q5. なぜ「お手」をしているのですか?
Q6. 犬好きの方へのギフトに向いていますか?
Q7. ラブラドールが選ばれているのはなぜですか?
Q8. メートランドスミスとはどんなブランドですか?
Q9. 正規品はどこで購入できますか?
Q10. 動物モチーフの家具は子どもっぽく見えませんか?
まとめ
お手をするラブラドールのサイドテーブルは、絵画が描いた忠誠の象徴と、日本に伝わる戌の縁起、そして本革や象嵌の職人技が一頭に凝縮された、温もりと格調を宿す一脚です。白金台のショールームでは、その造形と仕上げを実際にご覧いただけます。
時を超える美との出会い
白金台のショールームでは、Maitland-Smith、Theodore Alexander、Althorp など、 クラシック家具の名門ブランドから厳選したアイテムを実際にご覧いただけます。
西村貿易株式会社 白金台ショールーム
〒108-0071 東京都港区白金台3-2-10 白金台ビル1F
営業時間: 10:00~18:00(月曜定休)
電話: 03-5793-3694


