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スペンサー伯爵家の家具 ~オルソープリビングヒストリー~

イギリスに現存する貴族の館、カントリー・ハウスの中には宿泊施設になったり、ナショナル・トラストに寄贈されたりして、形は残したまま創建した 一族の手を離れ管理されている館も 少なくありません。故ダイアナ元妃の一族としても有名なスペンサー伯爵家の館 オルソープは、1508年よりスペンサー伯爵家によって500年以上受け継がれてきました。この間に館は何度か改修と増築されましたが、代々の当主によって収集された館を彩る家具・調度品は大切に受け継がれ、往時の歴史的、芸術的価値を今に伝えています。 

西村貿易は2004年よりスペンサー伯爵発案のもと誕生した家具コレクション「オルソープ リビングヒストリーコレクション」の日本総代理店を務めています。時代を超えて愛されてきた家具が現代に甦り、より輝きを増している家具コレクションの数々をご紹介いたします。 

スペンサー伯爵家の邸宅 オルソープとは

オルソープはイギリス・ロンドンから列車で1時間ほどのノーザンプトンシャー州の州都ノーザンプトンから北西約8kmに位置するステートリーホームのひとつであり、故ダイアナ元妃の出身家であるスペンサー伯爵家所有の邸宅です。1508年にジョン.スペンサーが移り住んで以来、約500年以上にわたりスペンサー一族によって守られてきました。1997年に事故により亡くなった、故ダイアナ元妃が眠りにつく地として世界的にも有名になりました。町の人々が“オルソープハウス”、”ハウス“と親しみを込めて呼ぶスペンサー伯爵家所有の邸宅には約100部屋、550エーカー=東京ドーム48個分の広大な敷地です。スペンサー一族は羊産業や農業で財を成し、1600年代に入ると貴族の爵位を与えられるようになります。1765年より現在の爵位を得て以降も、英国史に影響力のある政治家や軍人を輩出してきました。海軍大臣や内務大臣を歴任した第2代スペンサー伯爵ジョージ・スペンサー(1758-1843)は、ナポレオン戦争やフランス・スペイン連合艦隊に大勝利を収めた英国海軍の英雄・ネルソン提督を抜擢した人物として知られています。第2次世界大戦時に困難な戦局に直面していた英国を勝利へ導いたとして知られる首相ウィンストン・チャーチルは、本名をウィンストン・スペンサー・チャーチルといい、第5代サンダーランド伯爵を継いだチャールズ・スペンサー(1706-1758)が母方の後継が途絶えた第三代マールボロ公爵を継いだため、スペンサー姓となったマールボロ公爵家出身として有名です。現在は故ダイアナ元妃の弟にあたる、19代目である第9代スペンサー伯爵が受け継ぎ邸宅を守っておられます。歴史の波に翻弄されながらも、代々の当主によって集められた文化的にも価値のある絵画、蔵書、家具や調度品の中には数々の名品が含まれています。

スペンサー伯爵家の家具コレクションとは

現在のスペンサー伯爵の祖父にあたる第7代スペンサー伯爵アルバート・スペンサー(1892-1972)は、一族が所有する家具や調度品に詳しく調べ上げ記録を残しました。現在スペンサー伯爵家が所有する美術品、家具、調度品の謂れや出自がわかるのは彼の功績が大きいといわれています。 オルソープハウス内にあるダイニングルーム「グレートルーム」。英国史に名を刻むスペンサー伯爵家がかかわる政治談議に使われたこともあり、英国史の裏舞台となったこともある由緒ある部屋の一つです。この部屋のダイニングチェアは、18世紀の英国家具黄金期を築いたトーマス・チッペンデールが手掛けたオリジナルが300年以上たった今も大切に使われています。その控えの間「アンテルーム」として設えられている部屋を飾るローズウッドのコモド。オリジナルは、1720年ごろに製作された記録があり、赤い立派な髭で知られ「レッドアール」と呼ばれた第5代スペンサー伯爵が1865年にロンドンのエドワード&ロバーツ社から9ポンド1シリングで購入したアンティークのコモドと伝わっています。そのデザインは、ルイ14世様式とフレンチリージェンシー様式を融合させた雅なもの。17世紀から18世紀前半にフランス・パリを中心に活躍した家具デザイナー・アンドレ=シャルル・ブールや同時期に、高級家具職人としてその名を馳せていたニコラス・セジョーも好んだスタイルです。3段3列の引き出しの其々にはマホガニー、ローズウッド、黒檀を使って紐文様が象嵌され、華やかな真鍮の縁飾りとドロップハンドルが組み込まれているなど、当時の最新流行のデザインを取り入れた優美なコモドです。 その他にもロンドンのスペンサーハウスのために誂えられた建築家ジェームス・スチュアートのデザインによるジョージIIIスタイルのサロンソファやミラーなどの数々の名作が今も現役で邸宅を飾っています。

オルソープリビングヒストリーとは

オルソープ~リビングヒストリー~コレクションは第9代スペンサー伯爵の発案でオルソープの100余部屋を飾る家具・調度品を厳選しリプロダクトしたコレクションです。 イギリス人デザイナーで弊社とも親交のある ポール・メートランドスミスが監修を手掛け、スペンサー伯爵家の代表的な調度品を網羅したファニチャー&アクセサリー類がコレクション化されています。使われている素材を含め、当時の一流のデザイナーや家具メーカーに特別注文された贅沢な家具がリプロダクトされているため、ローンチより約20年たった今も弊社では大変人気の高い家具コレクションです。 これらのデザインの元となったオリジナルの家具は、実際に現在もオルソープで使用されているものもあり、夏に設けられている一般公開の期間に実物を見ることができるものも多くあります。

西村貿易おすすめするスペンサー伯爵家の家具コレクション5選

AL64001 ワシントンチェスト ※品番をクリックすると商品詳細がご覧いただけます。

セオドアアレキサンダーの本拠地であるアメリカとの縁が深い家具としてセレクトされたワシントンチェスト。アメリカ合衆国初代大統領のジョージ・ワシントンの先祖はオルソープ領出身であり、スペンサー伯爵とは領民と領主という交流があったと伝わっています。その縁よりスペンサー伯爵家で保管されているワシントン家で使われていたチェスト。無垢のオーク材で、引き出し付きのチェスト(箪)の原型といわれているトランク型の収納です。天板には輪染みやキズなどがオリジナルと同様忠実再現されており、アメリカでのコレクションのローンチの際には実物がスペンサー伯爵家より特別に貸し出されてコレクションピースと並べて展示されました。その再現性に世界中から集まったバイヤー達の驚き、注目を集めました。オリジナルは1650年頃の製作。オルソープハウス内の緑の廊下(The green passage)に現存。 

The princess of Wales Bedroom プリンセスオブウェールズの間

AL65001 セクレタリーデスク ※品番をクリックすると商品詳細がご覧いただけます。

スペンサー伯爵邸内「オルソープ」のプリンセスオブウェールズの間に現存するセクレタリーデスクのレプリカ。オリジナルのセクレタリーデスクのマーブル製の天板裏には前の所有者である フランス、ディジョンにあるアンティークショップのオーナでムッシュ・タジーニのサインが刻まれています。オリジナルは1860年ごろに5代スペンサー伯爵がフランスを訪れた際に、アンティークを購入したと伯爵家では伝わっています。 プリンセスオブウェールズの間(The Princess of Wales Bedroom)に現存。

AL71027HN ビューローデスク ※品番をクリックすると商品詳細がご覧いただけます。

スペンサー伯爵家の邸宅オルソープに実在する雄大なステアケースをモチーフにしたジョージ三世スタイルのビューローデスク。こちらのアイテムはセオドアアレキサンダー社のデザイナーがオルソープハウスにインスパイアされデザインしたオリジナルのセクレタリーデスクです。象嵌やレザートゥーリング、真鍮飾り惜しみなく施し、各所に作られた隠し引き出しは全部で37カ所。贅を尽くした遊び心を感じる人気アイテムの一つです。連続したアーチが美しい回廊の内側途中の半円型扉内に仕込まれたLED照明が細部の意匠を浮かび上がらせ、作品にドラマティックな印象を与えています。 

NISH45001CEB ジョージ三世ソファ  ※品番をクリックすると商品詳細がご覧いただけます。

ジョージ3世スタイルのソファ。オリジナルは、ロンドンのスペンサーハウスのグレートボールルームのために、建築家ジェームス・スチュアートによって特別に製作されたものです。現在は、スペンサー伯爵家の邸宅オルソープハウスのピクチャーギャラリーに現存するソファのリプロダクションです。ファブリックは、弊社オリジナルで、英国トラッドを現代的にアップデートしてセレクトしました。 ピクチャーギャラリー(The Picture Gallery)に現存。

AL40023 ウットンホールチェア

The wooton Hall ウットンホール

スペンサー伯爵家の玄関ホールであるウットンホールにあるマホガニー製のホールチェア。オリジナルは、1758年製作と伝わっています。ジョン・バーディがデザインし、インス&メイヒューが製作した椅子。オルソープハウスの玄関ホール、田舎の風景が得意とした画家ジョン・ウットンの連作が飾られている為この名で呼ばれています。そのホールを印象的に飾るホールチェア。背もたれ部分にはスペンサー伯爵家の紋章スペンサークレストが描かれています。 ウットンホール(The Wootton Hall)に現存。