時を受け継ぎ、本物の英国インテリアの美が息づくマナーハウス
福島県の山あいに佇むブリティッシュヒルズは、「パスポートのいらない英国」として知られる研修施設です。敷地の中心に建つマナーハウスは、英国の伝統的な建築様式をもとに設計され、細部にまで本物の英国インテリアへのこだわりが息づいています。
本リノベーションプロジェクトでは、英国スペンサー伯爵家由来の家具コレクション「オルソープ」をご採用いただきました。ジョージアンスタイルの格式と、代々伯爵家で大切に受け継がれてきた英国家具の芸術性が、マナーハウスの建築格調をさらに引き立てる空間を実現しています。
https://www.british-hills.co.jp/
建物(外観)
— 本物の英国文化を体感するマナーハウス
敷地の中心に建つマナーハウスは、中世の英国城郭をイメージして設計されています。石造りの外観、重厚な扉、歴史を感じさせる英国インテリアに至るまで、細部にわたり英国の美意識が再現されています。装飾や英国家具、空間のスケール感に至るまで本物へのこだわりが息づく、「英国という文化」を体感できる日本では稀有な場所です。
ボールルーム①
— ジョージアンスタイルのシャンデリアが彩るボールルーム
リノベーションにより、かつてのプール施設は壮麗なボールルームとドローイングルームへと生まれ変わりました。天井を彩る8基の大型シャンデリアは、ジョージアンスタイルの意匠を持つ「オルソープ」コレクションによるもの。
真鍮の重厚な質感と流れるような曲線のアームが織りなすクラシックデザインのシャンデリアが、歴史と気品を宿した光で空間に優雅なリズムを生み出しています。英国インテリアの薫り漂う、格調高い特別な空間を演出しました。
ボールルーム②
— 英国家具の伝統美|ヘップルホワイトスタイルのチェア
ボールルームの壇上には、英国18世紀を代表するヘップルホワイトスタイルのシールドバックチェアを配置。盾形の背もたれが特徴的なこの英国家具は、セオドア・アレキサンダー社によるクラシック家具の名品です。
熟練職人の手仕事による繊細な彫刻と優雅なフォルムが、壇上に凛とした存在感をもたらします。英国インテリアの伝統美を象徴する椅子が、ジョージアンスタイルの空間に格式ある表情を添えています。
ホワイエ
— 英国様式を象徴する、ヘップルホワイトスタイルの椅子
訪れる方を迎え、気持ちを整え、次の空間へと誘う―ホワイエはその役割を担う大切な序章の場。ボールルームの控室としても機能するこの空間に、スペンサー伯爵家由来「オルソープ」のキューピッドボウのアームチェアが、ジョージアンスタイルの端正な空間に気品を添えます。そこに合わせたコンソールテーブルとサイドテーブルには、ルイ15世様式特有のしなやかな曲線と繊細なオルモルが施され、貴族文化の美意識を静かに語りかけます。直線と曲線が響き合うことで華やぎの相乗効果が生まれ、上質なマホガニーの艶と張地の調和が、心地よい寛ぎと次の間への期待感を優雅に高めます。
ドローイングルーム①
— 本物に触れ、英国インテリアを体感するドローイングルーム
ホワイエを通りぬけ、扉をひらくと広がるのは、18世紀の英国文化を今に伝えるドローイングルーム。研修という役割をもつ施設だからこそ、本物に触れる体験を大切にし、空間の主軸にはグリーンパークソファを据えました。このソファは、ロンドン中心部のグリーンパークに隣接するスペンサーハウスの来賓をもてなすために設えられた大広間「パームルーム」の為に製作されたソファをセオドア・アレキサンダー社が「オルソープ」コレクションの一つとして再現させたものです。当時のインテリア様式を牽引していたロココの優美な曲線と、初期ネオクラシックスタイルの端正さが見事に調和しています。ファブリックにもこだわり、オリジナルを再現するためシルク製ダマスク柄のグリーンをセレクトしました。対面にはオルソープハウスのピクチャーギャラリーを彩るジョージ三世スタイルのソファとアームチェアを配置。オルモルが美しいルイ15世スタイルのランプテーブルやカクテルテーブルは「オルソープ」のものを採用。英国貴族の美意識と、本物に触れてこそ育まれる感性を体感できる空間となっています。
ドローイングルーム②
— オルソープハウスの系譜を継ぐ、気品ある迎賓の空間
ドローイングルームには、扉を挟んで左右に異なる趣の空間が広がり、反対側にはコモドを中心に据えたもう一つの場が静かに展開します。このコモドは、オルソープハウスのフォーマルダイニング「グレートルーム」に隣接する控えの間「アンテルーム」を飾る家具を、「オルソープ」コレクションの一つとして再現したものです。マホガニー、ローズウッド、黒檀による繊細な紐文様の象嵌に、真鍮の縁飾りやドロップハンドルがやわらかな輝きを添え、フレンチ・リージェンシー様式の洗練を優美に伝えます。
その両脇には、スペンサー伯爵家の紋章をあしらったミラーやウォールランプ、金箔装飾のサロンチェアを組み合わせ、壁面に象徴的な奥行きを創出。さらに中央にはラウンドテーブルとチッペンデール様式のチェアを配し、自然と会話が生まれる、親密で落ち着いたひとときへと誘います。
ドローイングルーム③
— 英国家具が紡ぐ物語のドローイングルーム
ドローイングルームに足を踏み入れると、左手の壁面に設えられたオルソープハウスを模したハウス型キャビネットが視線を引き寄せ、この空間のテーマを静かに語りかけます。ルイ15世スタイルのライティングデスクを中心に、その両脇にはキュービットボウのアームチェアをシンメトリーにゆったりと配置。さらにジョージ3世スタイルのソファの背面にフォールディングカードテーブルを配し、両脇のウットンホールチェアが視線を受け止め、空間に奥行きをもたらしています。
本リノベーションプロジェクトは、研修施設としての特性を踏まえ、スペンサー伯爵家由来の家具や意匠への関心を通じて、空間全体を一つの物語として体感できるインテリアを実現しています。静かに椅子に身を預け、意匠の細部に目を向けるひとときは、やがて時代や文化への想像へとつながり、次代を担う方々の記憶に残る体験へとなることを願っています。








