玄関インテリアの選び方|格調ある空間の作り方
玄関に足を踏み入れた瞬間、その家の雰囲気が伝わってくる——そんな経験はありませんか。
住まいの「顔」とも呼ばれる玄関は、お客様を迎える最初の空間であり、住む人のセンスや価値観が表れる場所です。だからこそ、インテリア選びには迷いが生じるもの。どんな置物を選べばいいのか、照明はどうすればいいのか、風水的に気をつけることはあるのか。
この記事では、玄関を格調高い空間に仕上げるためのインテリア選びを、クラシック家具専門店の視点からご紹介します。縁起物モチーフの意味や、職人の手仕事が生む上質さ、そして空間づくりのポイントまで、じっくりとお伝えしてまいります。

玄関インテリアを選ぶ前に考えたいこと
玄関の役割を見直す
玄関は単なる出入り口ではありません。
日本では古くから「おもてなし」の始まりは玄関からと考えられてきました。来客を迎え入れる最初の空間であり、家族が毎日目にする場所でもあります。風水の観点からも、玄関は「気の入り口」として非常に重要な場所とされています。
だからこそ、玄関のインテリアは慎重に選びたいもの。ただ見た目が良いだけでなく、縁起の良さや、空間全体との調和も考慮に入れることが大切です。
空間のスタイルを決める
玄関インテリアを選ぶ際、まず考えたいのが「どのようなスタイルにするか」という点です。
クラシック家具スタイルなら重厚感のある木製家具や真鍮細工の照明が似合います。モダンスタイルならシンプルなラインと上質な素材感を。和モダンなら、洋の要素と和の美意識を融合させた空間づくりが求められます。
いずれのスタイルでも共通して大切なのは、「引き算」の美意識です。物を置きすぎると雑然とした印象になり、格調が失われます。厳選した数点で空間を仕上げる——これが、上質な玄関づくりの基本といえるでしょう。
玄関に置くと良いもの——縁起物が持つ深い意味
玄関に置く小物やオブジェを選ぶとき、せっかくなら縁起の良いものを選びたいと考える方も多いのではないでしょうか。
日本には古くから様々な縁起物がありますが、それぞれに深い意味やストーリーがあります。単に「縁起がいいから」ではなく、その背景を知ると、より愛着を持って飾ることができるものです。

亀——「銭亀」の語源、ご存知ですか
「鶴は千年、亀は万年」——長寿の象徴として広く知られる亀ですが、実は金運の象徴でもあります。
その理由のひとつは、若い亀を「銭亀(ゼニガメ)」と呼ぶことに関係しています。これは丸い甲羅が江戸時代の硬貨「新寛永通宝一文銭」に似ていたことに由来するのです。
さらに面白い説として、「小判は小型の亀を原型にしてあの形になった」という言い伝えもあります。また、昔はお金を貯金するときに「甕(かめ)」という壺を使っていました。この「甕(かめ)」と「亀(かめ)」の音が同じことから、「お金が貯まる」縁起物として結びついたという説も残っています。
古代中国では、亀は仙人が住む蓬莱山(ほうらいさん)の使いとされ、知恵と長寿を象徴する動物でした。日本神話においても、浦島太郎に登場する亀は塩椎神(しおつちのかみ)という海の神様の化身として描かれています。
玄関に亀モチーフの置物を飾れば、長寿と金運、そして知恵をもたらす縁起物として、来客を迎えることができるでしょう。
トンボ——前にしか進まない「勝ち虫」

トンボが「勝ち虫」と呼ばれていることをご存知でしょうか。
その由来は約1500年前にさかのぼります。雄略天皇が吉野で狩猟を楽しんでいたとき、大きな虻(あぶ)が天皇の腕を刺そうとしました。すると、どこからかトンボが飛んできて、その虻を素早くくわえて飛び去ったのです。この出来事をきっかけに、トンボは「勝ち虫」と呼ばれるようになったと伝えられています。
また、トンボは後退せず、前にしか進みません。この姿が「退かない」=「勝利への執念」と結びつき、戦国武将たちに愛されました。
中でも有名なのは、加賀百万石の前田利家です。利家の兜には大きなトンボの前立てが付けられていました。NHK大河ドラマ「利家とまつ」でも、トンボの前立てを付けた兜で戦に赴く姿がたびたび描かれています。
ちなみに、古代日本では本州を「秋津島(あきつしま)」と呼んでいましたが、「秋津」とはトンボのこと。日本という国そのものが、トンボと深い縁で結ばれているのです。
新築や新生活のスタートに、「前にしか進まない」トンボの置物を玄関に飾るのは、なかなか粋な選択ではないでしょうか。
鶴——番いで過ごす、夫婦円満の象徴
「鶴は千年、亀は万年」と並び称される鶴もまた、長寿の象徴として広く知られています。
中国・前漢時代の書物「淮南子(えなんじ)」には「鶴寿千歳」と記されており、仙人が鶴に乗って空を舞う図は、長寿と神秘の象徴として描かれてきました。実際に、タンチョウは野生で20〜30年、飼育下では50年ほど生きることもあり、鳥の中では長寿な部類に入ります。
しかし、鶴にはもうひとつ大切な意味があります。それが「夫婦円満」です。
鶴は一度つがいになると、何年も同じパートナーと寄り添います。毎年、同じ相手と子育てをし、「求愛のダンス」や「鳴き合い」といった夫婦の絆を深める行動も見られます。どちらかが命を落とすと、もう一方は生涯連れ添うように暮らすともいわれています。
この姿から、鶴は婚礼衣装の白無垢にも描かれ、夫婦円満や家族の繁栄を願う縁起物として大切にされてきました。
玄関に鶴モチーフを飾れば、長寿と夫婦円満を願う気持ちを、来客に伝えることができるでしょう。
フクロウ——「首がよく回る」の意味するところ
フクロウは日本で古くから縁起物として親しまれてきました。
その理由のひとつは語呂合わせです。「不苦労(ふくろう)」で苦労がない、「福朗(ふくろう)」で福が来て喜ぶ、「福老(ふくろう)」で豊かに年を取る。様々な縁起の良い漢字が当てはめられてきました。
しかし、フクロウが商売繁盛の縁起物とされる理由は、語呂合わせだけではありません。
フクロウの首は270度も回ります。この「首がよく回る」という特徴が、「お金に困らない」という意味に結びついているのです。「借金で首が回らない」という言葉がありますが、フクロウはその逆。首がよく回るから、商売も順調にいくと考えられました。
また、フクロウは暗い場所でも目が利きます。この「先を見通す力」が、商売のチャンスを見逃さないという意味につながっています。さらに、フクロウは大変耳が良く、必要な情報を確実に聴き取る力があるとされ、情報収集が大切なビジネスにおいても縁起が良いとされてきました。
「幸福を呼び込み、悪いものを寄せ付けない」——そんな願いを込めて、玄関にフクロウの置物を飾る方が多いのも頷けます。
玄関インテリアの選び方——アイテム別ガイド
縁起物の意味を理解したところで、次は具体的なアイテムの選び方を見ていきましょう。
コンソールテーブル・サイドテーブル
玄関に置く家具として、コンソールテーブルは定番の選択肢です。

壁面に寄せて配置できる奥行きの浅いテーブルで、上に花瓶や置物を飾ったり、下に傘立てを収納したりと、機能性と装飾性を兼ね備えています。
選ぶ際のポイントは、まずサイズです。玄関の広さに対して大きすぎると圧迫感が出ますし、小さすぎると存在感が薄れます。また、高さは80〜85cm程度が使いやすく、上に飾る物とのバランスも取りやすいでしょう。
素材は、木製であれば温かみがあり、真鍮やアイアンを組み合わせたものはよりクラシックな印象を与えます。大理石天板のものは重厚感と高級感を演出できます。
ミラー(鏡)
玄関に鏡を置くことで、空間を広く見せる効果が得られます。外出前の身だしなみチェックにも便利です。
風水的には、玄関の正面に鏡を置くことは避けた方が良いとされています。良い気が入ってきても、鏡に反射して外に出てしまうと考えられているためです。側面に配置すれば、空間に奥行きを与えながら、風水的にも問題ありません。
フレームデザインは、空間全体のスタイルに合わせて選びましょう。クラシックな装飾フレームは格調高さを、シンプルなフレームはモダンな印象を与えます。
照明・ランプ
玄関の印象は、照明によって大きく変わります。
天井のダウンライトだけでは平坦な印象になりがちです。コンソールテーブルの上にテーブルランプを置いたり、壁面にウォールランプを設置したりすることで、陰影のある奥深い空間が生まれます。
特に夕方以降の来客を迎える際、温かみのある光は「おもてなし」の気持ちを伝えます。クラシックなデザインのランプは、それ自体がインテリアの主役にもなりえます。
置物・アクセサリー
玄関に置く小物は、少数精鋭が基本です。
先にご紹介した縁起物モチーフの置物は、玄関のフォーカルポイントとして適しています。季節に合わせてローテーションするのも、空間に変化を与える良い方法です。
置物を選ぶ際は、「引き算」を意識しましょう。いくつも並べると雑然とした印象になります。厳選した1〜2点で格調を高める——これが、上質な玄関づくりの秘訣です。
職人の手仕事が生む上質さ
玄関に置くインテリアを選ぶとき、素材や仕上げにも目を向けてみてください。
量産品にはない、職人の手仕事ならではの魅力があります。

貝殻細工——自然が生み出す唯一無二の輝き
海で数十年かけて育まれた貝殻の内側を使用した細工は、二つとして同じ模様がありません。
マザーオブパール(真珠母貝)やペンシェル(貝殻の真珠層)は、光の角度によって七色に輝きます。朝日を浴びたとき、夕暮れの光を受けたとき、照明に照らされたとき——見るたびに表情が変わる神秘的な美しさがあります。
自然素材ならではの深みと温かみがあり、経年で艶が増していくのも魅力です。工業製品にはない、唯一無二の存在感が、玄関に格調をもたらします。
手描き装飾——一筆一筆に込められた技
何層にも塗り重ねたラッカーの上に、職人が一筆一筆、繊細な筆致で描き上げる手描き装飾。
東洋の漆器技法と西洋のデザインが融合した、独特の仕上げです。時を経るほどに味わいが深まり、使い込むほどに愛着が増していきます。
機械では再現できない、人の手による温もりが感じられる技法です。
真鍮細工——時を経て増す風格
真鍮は、銅と亜鉛の合金です。
重厚感のある素材でありながら、アンティーク仕上げを施すことで、年月を経たような風合いを表現できます。時を経るほどに独特のパティナ(古色)が生まれ、使い込むほどに風格が増していきます。
ランプや置物、フレームなど、様々なインテリアアイテムに使われる素材です。長く使い続けることで、自分だけの味わいが育っていく——そんな楽しみ方ができるのも、真鍮の魅力です。
MAITLAND-SMITHについて
ここまでご紹介してきた縁起物モチーフや職人の手仕事。これらは、MAITLAND-SMITH(メートランドスミス)というブランドの世界観そのものです。
メートランドスミスは、1979年にロンドンで創設された高級インテリアブランドです。家具からライティング、デコールまで、インテリアにかかわる幅広いカテゴリーを手がけています。
多くのアイテムがハンドメイドで作られ、代々受け継いできたかのようなアンティーク仕上げが特徴。「アクセントファニチャー」という分野に早くから注目し、空間に格調と個性を与える品々を生み出してきました。
西村貿易は1988年より日本唯一の正規輸入代理店として、MAITLAND-SMITHの世界観をお届けしています。白金台のショールームでは、実際に商品をご覧いただけます。
おすすめ商品
センターピース・ボウルコレクション
亀やトンボなど、縁起物モチーフを施したボウルやコンポートは、玄関のフォーカルポイントとして最適です。貝殻細工や手描きラッカーなど、職人の技が光るアイテムが揃っています。
ランプコレクション
玄関に温かみのある光を添えるテーブルランプ。クラシックなデザインのランプは、置くだけで空間の格を高めます。コンソールテーブルの上に置けば、夕方以降の来客を柔らかな光でお迎えできます。
よくある質問
Q1. 玄関に置いてはいけない置物は?
Q2. 玄関に置くと縁起がいい置物は?
Q3. 玄関のインテリアで運気が上がるのは?
Q4. 玄関に鏡を置くのは風水的にどう?
Q5. コンソールテーブルとは何ですか?
Q6. 玄関に置く家具のサイズの目安は?
Q7. 高級感のある玄関にするコツは?
Q8. 玄関照明は何ワットが適切?
Q9. インテリアコーディネートを依頼できますか?
Q10. ショールームで実物を見られますか?
まとめ
玄関は住まいの顔であり、来客をお迎えする最初の空間です。
縁起物モチーフには、それぞれ深い意味とストーリーがあります。亀の「銭亀」の語源、トンボと戦国武将の関係、フクロウの「首がよく回る」話——こうした背景を知ると、玄関に飾るインテリアにも愛着が湧いてくるものです。
職人の手仕事による貝殻細工や手描き装飾、真鍮細工は、量産品にはない唯一無二の価値をもたらします。「引き算」の美意識で厳選したアイテムが、格調高い玄関空間を作り上げます。
西村貿易株式会社 白金台ショールーム
〒108-0071 東京都港区白金台3-2-10 白金台ビル1F
営業時間: 10:00〜18:00(月曜定休)
電話: 03-5793-3694


